さて、先日に引き続きHelvetica問題について。
Helvetica問題とは、ページものを作成するための
アプリケーション「InDesign」で使っているHelveticaと、
Macに最初から搭載されているHelveticaが競合して、
フォントをインストールしているのに
「フォントが入ってないよ!」と言われてしまう現象です。
同じ名前のフォントなのに、中身が違うのでバッティングしてしまうんです。
フォントがきちんと認識されないということは、
文字が崩れた状態になってしまい、きちんとしたデザインができません。
システムのフォントをいじってしまうと、
あらゆる機能が働かなくなってしまう恐れがあるので、
基本的にいじってはいけません。
いじるのはあくまでデータの方です。
でも、データをいじることもそれなりに大変です。
フォントを変更することは簡単なのですが、
特に長年流用しながら改訂しているものは、
毎号同じでなければならないところが変わってしまうからです。
ここで、クライアントに「こういう理由でこのフォントを変えます」と
お伝えした上でリスク以上のベネフィットを提示して
納得させることが必要です。
最近のお仕事で、この説得材料がなかなか見出せず困っていました。
しかもクライアントとは初めてのお仕事で、
コロナの影響もありまだ一度もお会いしたことが無く、
信頼関係も築けていない。
私のような個人のデザイン事務所は、
少しでも、仕事しづらいなとか面倒だなとか思われたら終わりです。
ところが、ラッキーなことに2021年4月にAdobeが
重大な記事を発表しました。
「アドビでは、2023 年 1 月を以って Type 1 フォントを使用したオーサリングのサポートを終了します」
https://helpx.adobe.com/jp/fonts/kb/postscript-type-1-fonts-end-of-support.html
この記事を見つけた時、静かにガッツポーズしました。
つづく